郷土がつなぐ未来のカンバス

小学校、中学校時代に先生に絵を褒められたことがきっかけで京都の美術学校に入学しました。生前、日田市の若者と一緒に作品を展示する場所が出来ることを希望しておられましたので今回その計画を実現する展覧会が市制80 周年を記念して開催される運びとなりました。

薫水という雅号

岩澤重夫は、将来雅号を持つ画家となることを夢見て「薫水」とサインをしていました。ところが学校を卒業した頃は、昭和のモダンと言われた時代。1954年に堂本印象率いる東丘社に入塾し、そこで様々な日本画の作法や仕組みを学びました、スケッチブックも若々しく、年齢とともに繊細な線描に変化する様子が読み取れます。

岩澤重夫の創造する風景画とは、

素晴らしい師匠に出会い、抽象画と写実画をともに研鑽する時間を過ごし、昭和から平成に入り爽やかな領域にたどり着き、日田をこよなく愛する日本を代表する風景画家となります。

紙本彩色とは、

日本画の絵の具をご覧になったことはございますか? 赤い石から赤い絵の具を制作する天然材料で岩絵具と呼ばれています。細かいものから、荒いものまで同じ色でも仕上がりが変わります。支持体は、天然こうぞの手すきの和紙で、鹿や鳥の骨を使用して抽出されたコラーゲンで制作したにかわと言う接着剤を使用し描かれています。作品の表面は、サンドペーパーのようにザラザラしています。

次世代の逸材を、

日田市で、自分の作品と若い次世代の作家の作品を一緒に展覧会を開催するという夢を語っていた岩澤重夫の希望どうり、次の部屋では、日田市の三隈高校美術部員の作品をご覧いただきます。