about UNEASINESS

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私たちの歩み、 1997年に大阪の「シティーギャラリー I・M」という画廊で個展を開催していた岩澤有徑は、画廊で働いていた大澤辰男と、会場を訪れた芦谷正人とこの時、初めて顔合わせをしました。そこで作家としての将来を模索していた3人は、1998年に「 ART UP! 」ー揺籃する位置ーという展覧会を企画しました。それは、ミュージシャンのコンサートツアーのように大阪〜広島〜神戸の3都市を巡回する展覧会を開催するという、大きな経験の始まりでした。その後、意気投合した三人は、2001年に信濃橋画廊で「 UNEASINESS 」を発足しました。約10年の間、それぞれの個展や選抜展などの活動を続ける中、ほぼ1年に1度は、3人プラスゲスト1名というスタイルの4人展を「 UNEASINESS 」という名称で大阪の信濃橋画廊で開催。 

2004年には、中井康之氏と◆西村智弘氏に作家の選出を依頼し ◆「 FLAT PLAT 」ーThe Far West Near Eastーを開催。 

2006年には、◆「 ART WAFERS 」ー21世紀絵画の重層性ーを企画。

2007年には、◆「 MOVING EYES! 」ー絵画から映像までーを企画。

その後 同年には、ハンガリーの2B Galleryという画廊で「 UNEASINESS Ⅵ 」を開催いたしました。 その際に、最終日に現れたのは、次の週に展覧会を開催する韓国の作家でした。そこで搬出中の私たちの作品に興味を持ってくれた韓国作家たちとの海を超えた交流が始まりました。おかげで2009年には、韓国のIGONG Galleryで「 UNEASINESS Ⅷ 」を開催させていただいたことから始まり、互いの国で様々な企画展に出品させていただくことができる様になりました。その後、韓国の現代美術を日本に紹介する

 ◆「 HICA 」ーOver the channel ー  を日本で企画。その年は、信濃橋画廊で「UNEASINESS Ⅸ 」を開催し直後に ◆「 hyper tension with uneasiness 」ー大いなる緊張と容易にはわからないもの、その21世紀的考察に照準を定めよ!ー を企画し実に慌ただしい年を迎えていました。2010年に「 UNEASINESS X 」を信濃橋画廊で開催したのち、なんと年末に信濃橋画廊が閉廊となりました。そこで2013年の「 UNEASINESS 11 」からは、大阪の2kwギャラリーで開催することとなりました。2016年、韓国のGyo Dong Art Museumという私立美術館で「 UNEASINESS 15 」を開催する運びとなり、いつか美術館で開催したいという3人の思いがようやく現実となりました。

追伸: ”UNEASINESS” とは、英語で心配なもの、不安なもの、という意味と、簡単にはわからないもの、という意味があります。なんか今日は、調子悪いな、、、というときにも使う妙な言葉なのです。

 

 

 

『 アーティストユニット、UNEASINESS の作品について少しお話を 』

大阪を中心に活動する現代美術家なのですが、3名ともノーマルなオイル・オン・キャンバスという平面の通念に反発を感じながら、絵画という形式にこだわり、また名々の仕事には特殊なシステムが存在するところが特徴です。 

芦谷正人は、日本の美術史に伝統的に存在する木版画というものを徹底的に学び、いまも彫刻刀で掘るという行為に執念を持って制作しています。その作品は、長年の制作姿勢の中に独自のテクニックを生み出し、それは同じものは1枚しかできない制作であったり、輪郭がぼやける特殊な刷り方、であったりします。コンピュータによるインクジェットプリントや、写真による発表も平行して、行っておりますが、そのシステムは、すべてどこか共通しています。 

大澤辰男は、かつてオプアートのような目がくらくらするような、絵画を制作していましたが、 近年は、描画と塗装を繰り返し光沢がでるまで磨き上げる作業をし、その作品の前に立った観客が画面に写り込んで作品と観客が、あるいは作品と対面に展示してある別の作品が写り込んで二重に見える仕事が特徴的です。 それは、楽器や家具を見ているように神秘的です。

岩澤有徑の作品は、半透明な素材と、中に含まれる空気をも作品の一部とする形式に、その重力や、緊張感を用いて観客を魔法にかけてしまうものです。表面に描かれている図は、その半透明性を観客に認識させるための記号なのです。近年は同時に映像の作品も制作したり、会場の床材を変更したりして、発表の際の空気感にまで踏み込んだ考えを持って制作しています。 

この3名は、出会いから間も無く20年を迎え、現在では、かけがえのない絆となりました。「3人よれば文殊の知恵」というように次々と困難な局面を乗り越えて現在に至っています。そこには、作家独自の作品に対する強力な ”視る” という行為が共通しているのが、存続のゆえんなのかも知れません。

 

 

◼ Episode 1:UNEASINESS 創設物語

 

◼3人で力を合わせるきっかけとなった展覧会

1998年「 ART UP! 」ー揺籃する位置ー

テキスト:平芳幸浩

(大阪府立現代芸術センター/大阪〜ギャラリーぐうて/広島〜Xa104ロードサイドミュージアム/広島〜アートビレッジセンター/兵庫)

出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・岡村伸一郎・小林桃子・増田妃早子・三澤浩二・安喜万佐子

神戸会場で中井康之氏と平芳幸浩氏と出品作家の討論会を開催

 美術手帖1998年12月号/展評

「ART UP!」のカタログを見る

 

▶ マイケル・ジャクソンのジャパンツアーのように複数の県を巡回するというのは、私たちの憧れでした。メンバーは、各会場を打ち合わせに周りようやく企画の予定を決めていただき前に進んできました。そこで宅急便と同じ車を借りて自分たちで旅をしながら運ぶという不思議な交流をすることができました。広島では、テレビ局の取材で一人づつインタビューを受けるという緊張があったのですが、大きな事件が発生し私たちの取材は、放送されなくなりました。最後に神戸で討論会を開催した時は、壮大なプロジェクトを完結したような錯覚に陥るほどの達成感を心に秘めていました。このことが大きな経験となり3人にとって、かけがえのない絆を深める記念すべき展覧会となりました。

 

◼ 2001年「 UNEASINESS 」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

 

◼ 2003年「 UNEASINESS Ⅱ」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・泉依里・岩澤有徑・大澤辰男

 

関東と関西の美術は、どこが違うのか?という素朴な疑問から、小さな思案が目上の人に波紋を呼び本当に展覧会を実現することになりました。

2004年 ◆「 FLAT PLAT 」ーThe Far West Near Eastー

テキスト:中井康之・西村智弘・藤嶋俊会 

企画/UNEASINESS

情報の差異と同一性(神奈川県民ホールギャラリー/横浜〜海岸通ギャラリーCASO/大阪)

► 横浜会場で藤島氏と討論会と大阪会場で中井康之氏vs西村智弘氏の対談を開催

出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・佐々木直美・前田朋子・安喜万佐子・工藤美穂・末永史尚・千葉鉄也・富田瑞穂・藤原成淳・松本三和

▶ 読売新聞/展評

▶ カタログを見る

 

◼ 2005年「 UNEASINESSⅢ 」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・田村実環

 

◼ 初めてCASOから展覧会企画の依頼が、

2006年 ◆「 ART WAFERS 」ー21世紀絵画の重層性ー

(海岸通ギャラリーCASO/大阪)企画/ UNEASINESS

出品作家/芦谷正人・泉依里・岩澤有徑・大澤辰男・久下典子・塩賀史子・田村実環・林嘉一

 

◼ 2006年「 UNEASINESS Ⅳ」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・林嘉一

 


◼ Episode 2:ユニット展は、ハンガリーへ、

 

◼ 2007年 ◆「 MOVING EYES ! 」ー絵画から映像までー(海岸通ギャラリーCASO/大阪)企画/UNEASINESS 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・梅阪尚美・大栗恵・大澤辰男・照山淳也・Sivanon Nax Chaichorfa

 

◼ 2007年「 UNEASINESS Ⅴ 」 (信濃橋画廊/大阪) 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・岩谷由愛・大澤辰男

 

初の海外のギャラリーへ進出、

2007年「 UNEASINESS Ⅵ」(2B Gallery/Brapest/ハンガリー)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

▶ 1998年の「ART UP!」展の資料をニューヨークの友人の紹介で1999年に2Bギャラリーに送付していたのですが、その後時間が経過していました。所用でブダペストを訪れた岩澤が初めて画廊主に面会し翌年この企画が実現しました。巻頭に紹介させていただきましたが、ここで、韓国作家との深い絆が生まれることとなりました。私たちが学んだことは、どんな素晴らしい資料を送るより、お顔を見てご挨拶をする事の方が大切だという事でした。 

 

◼ 2008年「 UNEASINESS Ⅶ」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・倉重光則

▶ 今まで、私たちより若い作家をゲストに選出し、現在の動向を観察する意味合いが濃かった状況から一変して、一回り先輩のゲストに参加を依頼。作品の重みを学ばせていただき、新たな領域に踏み込んだ展覧会となりました。

 

初の韓国展開催!

2009年「 UNEASINESS Ⅷ 」 (IGONG Gallery/太田市・韓国) 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

▶ 2年前にハンガリーで知り合った韓国作家のおかげで初めてソウルからバスで2時間のデジョンという街で開催することとなりました。ここは、外国人があまりいない街ですので多くのテレビ局や雑誌社の取材がこられ驚きました。

 

◼ 2009年 ◆「 HICA 」ーOver the channelー(海岸通ギャラリーCASO/大阪)

企画/UNEASINESS 

► 3人は、出品しておりませんが、韓国のグループを大阪に招聘する企画展を開催しました。

 

◼ 2009年「 UNEASINESS Ⅸ 」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・西村郁子 テキスト:小吹隆文

► この年は、地下と5階の両会場で同時開催を行いました。

 

◼ 2009年 ◆「 hyper tension with uneasiness 」ー大いなる緊張と容易にはわからないもの、その21世紀的考察に照準を定めよ!ー

(海岸通ギャラリーCASO/大阪)会場風景 テキスト:中井康之 企画/UNEASINESS

出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・内山聡・大澤辰男・勝又豊子・倉重光則・佐藤ジン・中川久

 

 

◼ Episode 3:まさか信濃橋画廊がなくなるとは、

 

◼ 2010年「 UNEASINESS X 」(信濃橋画廊/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・野村嘉代

► 大阪でもっとも老舗の信濃橋画廊の最後の10 年間に、代表の山口勝子氏から、私たちUNEASINESS展に大変なご高配を賜りました。ところが2010 年の年末に多くのファンに惜しまれつつ 45 年の歴史に幕を閉じ閉廊されました。私たちは、ここでかけがえのない経験をさせていただき山口氏と画廊のスタッフの方々には、一同心より感謝いたしております。

 

▶ 信濃橋画廊とは …

1965年、大阪市西区のビルの地下に開廊。運営形態としては、一定の料金でスペースを貸す「貸し画廊」ですが、画廊独自の企画展も開催。開廊記念展は、河口龍夫、福岡道雄、森口宏一ら、当時、新進気鋭の、そして後に関西の現代美術史に欠かせぬ存在となった作家たち20人を集めた「20人の方法」展でした。以後、時流にとらわれず独自の表現を追求する作家たちや、現代美術を志す若者など、幅広い作り手たちの自由な作品発表の場として、毎週毎週、展覧会が開かれました。ユニークな作家の表現を求める観客やコレクター、評論家の訪れる画廊は、これら関係者たちの交流の場としても機能し、関西では京都のギャラリー16(1962年開廊)と並ぶ老舗の現代美術系画廊として知られてきましたが、2010年、惜しまれつつ45年の歴史に幕を閉じました。(兵庫県立美術館のWebsiteより)

 新聞の展評を見る

 

◼ 2011年 「 HICA and UNEASINESS 」 ( IGONG gallery and La Nomade France cultural center / 韓国・太田市)  

▶ 韓国のHICAグループの展覧会にゲストとして芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男が出品しました。会場は、イゴンギャラリーとフランスカルチャーセンターの2会場 ▶ installation view 

 

◼ 2012年「 HICA & UNEASINESS 2012 」(IGONG Gallery/太田市・韓国)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・KIM Youngho・ROBERT Watkins・BAEK Junekee・JUN Jaehong・JUN Jangjig・YOO Jongkook・JEON Hyungwon・YOO Dongio・YANG Chungmo ▶ 会場風景 installation view

▶ 私たちのユニット展活動に共感した韓国の作家がHICAというグループ展を発足。初めてジョイント展を開催しました。HICAのHは、ハンバッドという”江戸”のような昔の太田市と全州市の呼び方から命名されています。ところが、韓国では、10名以上のグループ展に補助金が出る制度があり、私たちのような少人数の企画展は、なかなか実現できないとのことです。

 

◼ 2013年「 UNEASINESS 11 」(2Kw Gallery/大阪) 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・西川茂

► 信濃橋画廊の閉廊に伴い、方向を模索していた3人は、大阪肥後橋の2Kwギャラリーで続けることを決定しました。

 

◼ 2013年「 UNEASINESS & HICA 」(GALLERY北野坂/神戸)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・AN Chin・KIM Youngho・JUN Jaehong・JUNG Jangjig・YOO Jongkook・JEON Hyungwon・YOO Dongio

► 日本にHICAグループをお招きしました。韓国の作家は、北野という綺麗な街と中華街と有馬温泉の持つ三通りの神戸の姿にとても不思議な経験をして喜んで滞在されました。▶ 会場風景 installation view

 


◼ Episode 4:ようやく海外の私立美術館へ、

 

◼ 2014年「 UNEASINESS 12 」(2Kw Gallery/大阪) 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

► 今回は、散々ゲスト作家を思案したのですが、該当者が見つからず久々にレギュラーメンバーで開催。初心に戻って出会った頃の「 ART UP! 」展に出品した作品と最新作を2つの部屋に分けて展示するタイムマシン展を開催しました。

 

◼ 2015年「 UNEASINESS 13 」(2Kw Gallery/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・松谷博子

 

◼ 2016年「 UNEASINESS 14 」(2Kw Gallery/大阪)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・KIM Wansoon・CHUNG Eunkung

► 初めて韓国の女性作家をお招きすることにしました。文化も美術史も違う国の作家は、一体どういうものを作っているのか、 HICAグループとは、全く違うタイプの作家が現れ驚きました。

 

初の美術館展開催!

◼ 2016年「 UNEASINESS 15 」(Gyo Dong Art Museum/全州市・韓国)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

► ソウルから新幹線で2時間という全州(チョンジュ)というビビンパ発祥の地で初の美術館開催を実現しました。今まで培ってきた海外開催の経験を発揮して頑張りました。またユネスコの食文化遺産に登録されているこの地のビビンパは、日本の焼肉店と全く違う豪華な食べ物でした。

▶ これまでの韓国作家との交流を綴るページを制作しました。■ Art Story 5 ■ 韓国との交流は、いかに new

 

現代美術の聖地へ、

 ◼ 2018年「 UNEASINESS 16 」(奈義町現代美術館ギャラリー/岡山)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男

岡山県の奈義町現代美術館でようやく3人で開催することができました。会場のみならず、エントランスにテレビモニターを設置、カフェにも3点の作品を設置、そして初日には、1日限りの肉料理と岩澤映像作品のArt de meat ナイトミュージアムイベントも開催しました。▶ 会場風景 installation view

 

 ◼ 2021年「 岩澤重夫と現代美術の世界 」 UNEASINESS 17(大分県日田市AOSE/市制80周年記念事業)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・岩澤重夫・三隈高校美術部員 ▶ 会場風景 installation view

 

 ◼ 2022年「 uneasiness 18 」( citygallery2320/神戸)出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男 < 私たちが、最初のであった場所、シティギャラリーI,Mは、もうありませんが、今回神戸で再出発され同名の場所で再構築の機会をいただきました。>▶ 会場風景 installation view

 

◼ Episode 5:さらなる高みを目指して前進!

 

 ◼ 2023年「 3名でGyodong Museum of Art へ、Art & Recipe 2023 」 UNEASINESS 19 出品作家/芦谷正人・岩澤有徑・大澤辰男・横山栄一 ▶ 会場風景 installation view